本SFは、題名の通りカグヤ姫を含む異星人達の立場でみた物語です。
さて、かぐや姫が出てくる「竹取物語」ですが、あらためてWikipediaを見てみますと、平安時代に成立した物語で、作者不明で、正確な成立年も未詳とあります。
「源氏物語」の文中にも記述があり、日本最古の物語だそうです。
9世紀後半から10世紀前半頃に成立したとされる、かなによって書かれた最初期の物語の1つだそうです。
本SFショートではカグヤ姫は異星人との設定です。
先祖である異星人達は、居住している星が人口増に伴う環境汚染や流星群との衝突による予想以上の被害により、生物として存続していくために他の星への移住を余儀なくされました。
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目次
第1章:異星人(現在)
第2章:地球
第3章:カグヤ姫
第4章:求婚
第5章:領主三角(みかど)氏
第6章:カグヤ姫の憂鬱
第7章:帰還
第8章:エピローグ
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(前回まで)
宇宙船の生物は、一生の中で冬眠の期間が元々あるので長期間の冬眠にもさらに耐えられるのである。
今回覚醒したのは、宇宙船が太陽系の惑星に接近しつつあるためだった。
宇宙船のセンサーは、木星、火星、月、地球が適した移住先の可能性を示していた。
第1章:異星人
・異星人達の移住船の出発
宇宙船の出発はXXX年前にさかのぼる。
宇宙船の乗組員である生物は、ある星で生存していた。
彼らのような生物が生存できる環境であったが、大気は地球とはやや異なり、また宇宙からの放射線はやや強かったせいか地表に植物性の生物が繁茂していたが、動物性の生物は地下での生活を選択し、それなりに発展していた。
生物の起源はやはり微生物から始まっており、もちろんこの星でも存在し、こうした生物が星での生活輪廻を作っていた。
生物の頂点として発展したのは地球でいえば昆虫類様の生物であった。
しかしながら、地下に巨大な居住空間を建設しており、科学技術の発達レベルは現在の地球のレベルを凌ぐほどであった。
この星では、人口爆発やそれにより引き起こされる環境破壊により他の星への移住をせざるを得ない状況が迫っていることは次第に知られつつあり、移住宇宙船が新たな居住星を求めて飛び立つ計画が作成されつつあった。
高度な天文学知識を持つ彼らは、既に居住候補の星をリストアップしていたが、居住可能かどうかは最終的に住んで確かめねばならなかった。
快適な星での社会生活の終焉の始まりは、些細なことから突然引き金が引かれた。
小さな流星群がこの星に接近していることは星の科学者達も知ってはいたが、衝突しても流星のサイズが小さいことから問題はないものと予想していた。
しかしながら、大小の異なるサイズの複数の流星群であったために、その相互作用の影響でコースが変わり、予想以上の衝突が起こった。
個々の衝突は大したことはなかったものの、大小様々な衝突を立て続けに受けた。
局所での衝突のダメージはその付近の地殻で予想以上に大きく、環境の変化が波の伝わるように次第に地表で広がっていった。
その結果、生存環境の破壊が起こり、今までのような安定した生活を維持することが困難となった。
星のリーダー達は、生物の生残には少なくとも一部は他の星への移住が不可欠で、移住船の出発の前倒しは最優先事項との結論に達した。
希望に従って移住か残存かを選択できた。
生物達の科学技術は異星への移住が可能なレベルであったし、彼らは元来遺伝的に冬眠ができたのであった。
成長過程で冬眠期間を調整できて、不遇な環境を冬眠によりやり過ごすことができた。
こうして、他の星で発展した社会を再構築しようと希望する者を乗せた宇宙船は
出発した。
(次回に続く)