我々は地球でポピュラーな家畜なんだけど、月居住基地に行けるかなあ?
行けても、我々のエサや居住空間など用意できているんかなあ?
月から火星居住基地へ行く場合はどうなっているかな?
つぶやき:変異コロナ感染に東京オリンピックと人の関心はいくと思うけど、このブログを見てくれる人いるかなあ? MLBの大谷クン頑張ってるかなあ?
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目次
第一章:腫瘍の分離
第二章:火星居住基地での奇妙な死者
第三章:遺族への聴き取り
第四章:グルメクラブへの訪問
第五章:食の調査
第六章:死因の調査(前回で終わりましたよ)
第七章:ウイルスと病因(今回から)
第八章:エピローグ
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一応身の回りの動物としてペットや仕事上に接する可能性のある動物を対象にしましょう。
まあ他に目ぼしい手掛かりもないし」
(以上前回まで。)
第七章:ウイルスと病因
夏目田博士との共同研究で、柴里博士は食材としての牛肉を製造する現場のどの過程で、変異ウイルスが発生しているか調査し始めた。
病気を起こした人では共通にげっ歯類のウイルスが見つかっており、どこかで接点があるはずである。
患者身辺を調べた限りでは、地球を離れた月や火星居住基地で げっ歯類が食材に利用された公的記録は見つからなかったし、またペットとして飼育して長期の接触をもった公的記録もなかった。
個人的に食材としたり、ペットにすれば、公的記録には残らないが、居住基地は意外に狭い世界なので記録に残らないのも考えにくいと夏目田らには思われた。
地球外への大型家畜の運搬・飼育は無理だったので、月居住基地ではそれに代わる食肉を開発するベンチャーができた。
そのような中で、やはり特に牛肉の味を再現できないかと試みたことは記録にあった。
一般的に、トリ肉、ブタ肉、牛肉を比較すると、食肉にするまでの飼育にかかる費用はトリ、ブタ、牛の順に高くなる。
単位肉重量を得るための費用、つまり例えば1キロの肉を得ようとするとコストはやはり、トリ、ブタ、牛の順に高くなるのだ。
地球で育った人々の中には、高価で美味であるため贅沢品というイメージを持ち、その分忘れがたい味の食材であると考えている人もいるらしい。
しかしながら、牛細胞を培養装置で増やそうとした試みは、居住基地の環境政策と予想消費量と考慮するとコストがかかり過ぎ、比較的長く続いた試みはげっ歯類への移植の利用であった。
居住基地生まれ、あるいは居住基地育ちの多くの人は、そうした食経験がなく、植物原料の加工肉で育ってきたので当たり前に満足している。
こうしたことから、牛肉をまず口になかなか出来なくて好まれる食材の候補として調査ターゲットとしたわけである。 」
(次回に続く)