火星居住基地の怪死

 

 

 

 

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図:居住基地のペット候補達?ロボット犬、観賞魚、盆栽(いらすとやより)

 

前回のブログでは、居住基地での食用家畜の立場を考えて、

 「我々は地球でポピュラーな家畜なんだけど、月居住基地に行けるかなあ?

行けても、我々のエサや居住空間など用意できているんかなあ? 

 月から火星居住基地へ行く場合はどうなっているかな?」

代弁したが、今回は居住基地での心の癒やしとなるペットについて。

新たな居住空間での生活に不安な人々にとっては重要な存在に思えるのだが 、果たしてどのようなペットが許されるかな? ロボットによる代用なんてあり? もちろん(観葉)植物(が)好きな人も多いだろうな。 小魚なら室内用の水槽で飼育できそうだ。

 

 

   

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目次

第一章:腫瘍の分離
第二章:火星居住基地での奇妙な死者
第三章:遺族への聴き取り
第四章:グルメクラブへの訪問

第五章:食の調査

第六章:死因の調査

第七章:ウイルスと病因(現在
第八章:エピローグ

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  居住基地生まれ、あるいは居住基地育ちの多くの人は、そうした食経験がなく、植物原料の加工肉で育ってきたので当たり前に満足している。 

 

  こうしたことから、牛肉をまず口になかなか出来なくて好まれる食材の候補として調査ターゲットとしたわけである。 」

  

(以上前回まで。) 

 

  地球外へ人類が移住する時に、共存と移住先の環境を考慮して生物種選別が行われた。 

  可能なのであれば地球環境が再現されると良いのではあるが、人類生存を優先とすると、やはり選択せざるを得ない。

 

  月や火星居住基地では、選択された生物の管理は生物センターという組織が担当した。 

  身近なところでは、食料となる植物やキノコ類は迅速に試験管培養、培養室培養、工場培養とグレードアップされた。 

  動物や昆虫は隔離施設で飼育されていたが、地球でペットとしてなど接触が多かった人々からの要望で、申請・審査を経て愛玩・介護動物として家庭で飼えるようになった。 

  しかしながら、当初繁殖は生物センターでのみ実施され、飼育許可された動物はICチップ付着の義務があり、個体数・行動範囲がモニターされた。 

  保存されている多くの生物種の人間社会での共存は、生物センターでの検討を経て、小スケールでの試験を通して段階的に実施された。  

 

  夏目田博士と柴里博士は、入院患者の病因に愛玩動物からの微生物感染が考えられ、原因調査のために動物を飼育している居住民のリストの閲覧をしたいと、生物センターに申請した。 

  指定された日に訪問すると、担当者からは閲覧の快諾を得た。 

  病因としては食材に混じったおそらくウイルスを考えていると話すと、関連しそうな生物センターの業務内容について話してくれた。

 

 

 

(次回に続く)