SF異星人カグヤ姫物語

カグヤ姫異星人達は移住先の星の探索中に、

仲間の異星人を感染症で失った経験から、

候補先の天体を評価する時にはまず距離を

おいて観察・サンプリング等にその星の生

物の他に目に見えない微生物も含めて慎重

を期している。

 

既に現代の地球において地球人に恐れられ

て、ワクチンという予防治療法で扱われて

いる微生物については以前に取り上げた。

現代とSFショートの時代背景の中世と時間

的違いはあるが、微生物の地球での歴史は

もちろん人類よりはるかに長いと考えられ、

現代において科学技術の進歩で発見された

病原微生物も、おそらく人類発生以前より

存在していたものと考えて差し支えないと

考えられる。

 

今回はその続きである。

BCG、風疹麻疹、水痘、おたふくかぜは生

後1歳以降に接種が勧められる。

これらは生ワクチンである(https://www.

know-vpd.jp 予防接種スケジュール)。

つまり生きている微生物である。

病原性はもちろん低いが有効な抵抗力を

誘導するには感染の形式が必要と考えら

れる。

不活化ワクチンとは、生ワクチンと異な

り化学的に殺された微生物であり、接種

すると血液中や母乳中の抗体のような液

性因子を誘導し宿主に抵抗性を付与する。

病原体に対して抗体のような液性免疫が

有効なケース以外に、病原体や病原体が

感染した細胞を宿主の免疫担当細胞が壊

して感染防御する細胞性免疫がある。

Wikipedia、液性免疫、細胞性免疫)

生ワクチンだと液性及び細胞性免疫両方

を誘導して抵抗力を付与すると考えられ

る。

生ワクチン接種は、弱い病原体で本番の

感染防御の予行演習をやっておくと言え

る。

 

新生児は母乳に含まれる抗体により感染

症より守られるが、その防御力は次第に

低下し、一般的には生後半年くらいで失

われる。

一方、新生児自体の免疫力は当初未成熟

で、免疫力が成熟し有効となるには2,

3年かかる。

つまり、母親からの保護が切れる頃から

自身の免疫力が発達する前は、感染症

どへの抵抗力が一番弱い時期なのである。

WHO(世界保健機構)が2歳以上まで授

乳を推奨するのは、この抵抗力の低い時

期をなるべく母乳中の抗体などによりカ

バーする意義があるためである(https://

www.macrophi.co.jp 自然免疫応用技研株

式会社 母乳で免疫力がアップする!

2021/05/25)。

 

こうした抵抗力の低い時期に生ワクチンを

接種するのは、いきなり本番の感染をうけ

るよりは未熟とはいえ予行演習をやってお

くほうが宿主、つまり乳幼児のより利益に

なるためである。

 

ただし、本SFの昆虫型異星人達が人類と同

様な予防法治療法としてワクチンを利用し

ていたかはわからない。

高度な科学技術で抗生物質や化学療法剤の

ようなものを使用していたかも知れない。

ただ、昆虫型異星人と言ったが地球の昆虫

とは免疫能を含む生物機能がまったく異な

っているかも知れない。

 

現代においても地球上において、たとえば

未開地で人類との接触がほとんどなかった

生物から産業開発や、温暖化や気候変動に

よる環境破壊により接触が増えることによ

り、新たな感染症が現れるかも知れない。

しかしながら、異星人の生存に地球人との

共存が必要なので、まずは地球人の身近な

感染症に異星人が注意を払う方針は間違い

ないと言える。

 

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(お詫び)

PC不調により「SF異星人カグヤ姫物語」

の更新は相変わらずできておりません。

悪しからず。