SF異星人カグヤ姫物語

2005年のS.スピルバーグ監督T.クルーズ主演の

宇宙戦争」においては、圧倒的な高度文明の

宇宙人達による侵略を受けた地球人達であるが、

最終的には地球のどこにでもいるようなありき

たりの微生物の感染により全滅してしまう。

新型コロナウイルスが世界的に広まり、感染予

防にワクチン接種をすると、それをかい潜るよ

うに変異型コロナウイルスが広まるというイタ

ごっこをやっているが、それでも感染症法上

の位置づけが「2類相当」から「5類」、つま

り一般の風邪扱いに移行した。

人々がこうして新型コロナウイルスに目を奪わ

れている間に、「我々の事もお忘れなく」とア

ピールするごとく従来から存在しているインフ

ルエンザやアデノウイルスプール熱)、マイ

コプラズマ(肺炎)、溶連菌(イチゴ舌)など

の患者が増えて盛り返してきている。

このように地球では様々な感染症の病原体が存

在するのであるが、「宇宙戦争」の宇宙人達は

その高度の科学技術のためか?つい油断した?

ためか地球についての侵略前の事前調査をない

がしろにしてしまったんだなあ。

一方で、カグヤ姫達異星人は、彼らの移住先の

天体探索中に重要なパートナーを感染症でなく

すという苦い経験をしたために、地球を探査す

る前に地球の病原体に対する事前調査を慎重に

進めた。

地球環境に、特に人間社会に存在する病原体に

ついて調査し、万が一感染した場合の治療法ま

で決めてスパイのカグヤ姫が送り込まれた。

その慎重な方針が功を奏したのか、カグヤ姫の

地球人(人間社会)への侵入はうまくいった。

 

さて、微生物とは他の生物にとっての病原性の

有無しか関心が持たれないことが多いが、実は

生物の進化に関与しているケースもある可能性

が見つかってきている。

ウイルスは多くの種類があるが、その中の一つ

にレトロウイルスがある。

一般の人がよく知っているレトロウイルスとし

てはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)がある。

以前は感染死が恐れられたエイズ(免疫不全症候

群)の病原体である。

ウイルスを含め生物は子孫遺伝子を残すことが

できるのであるが、ウイルスは本体が核酸のみ

でできており他の生物とは異なる。

例えば、細菌は栄養があれば取り込み自身の体の

構成成分を作り出せ、自身と同じ生物を作り出せ

るのであるが、ウイルスは自身の核酸から他の生

物の体の中の装置を借りて複製する。

ウイルスは、ウイルス単独では子孫を残せないた

め、はたして生物と言えるか疑問である。

ウイルスは生物と無生物の間に位置すると言われ

る所以である。

 

しかしながら、こうしたウイルスの中には生物の

進化において重要な役割を果たした可能性が出て

きた(ヘルシスト273号 生物特集 知られざる

ウイルス 中屋敷 均 2022/5/10)。

レトロウイルスの核酸RNAなのですが、感染し

た細胞のなかではDNAに変換され感染細胞のDNA

に入り込み、それからウイルスの子孫のRNAが作

られると言う変わった増え方をする。

感染細胞を調べるとウイルス由来のDNAが多数残

されているような形跡があり、これを内在性レト

ロウイルス(ERV:endogenous retrovirus)という。

 

動物は子孫を体外に卵を産み育てていた(卵生)

が、哺乳類では体内である程度まで育てた後に出

産するようになった(胎生)。

体内の胎盤という組織で子供に栄養や酸素を供給

するようになったのである。

この胎盤をつくるのにウイルス由来のシンシチン

というタンパクが利用されている。

 

また、生物が水中から陸上に進出すると皮膚の保

湿性を維持する必要がある。

皮膚の保湿層を作る過程でタンパクを分解する必

要があるが、その分解酵素は哺乳類にしかなくウ

イルス由来のサスペースである。

 

また、神経細胞間でRNAの伝達を助けるアークと

いうタンパクは元々ウイルスRNAを包み込んでウ

イルス粒子を形成するタンパクである。

 

ヒトゲノムが解析されると、LTRレトロトランス

ポゾンや他の転写因子などがゲノム全体の45%を

占めるそうで、「ウイルスのかけら」が散らばっ

ているようだと。

つまり、ウイルスのかけらが遺伝子の制御として

重要な役割を担っているということのようだ。

 

現在、ウイルスというと悪さをするイメージだが

我々が存在できるのはウイルスのおかげかも知れ

ないってことだね。

 

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(お詫び)

PC不調のため、「SF異星人カグヤ姫物語」は更新

できておりません。

悪しからず。